癌の中でも、日本人女性に最も多いのが乳癌。
女性の癌患者のうち約28%と、4人に1人の割合に上っています。

乳癌にかかる女性は年々増加し、現在は女性の9人に1人が乳癌になる時代です。女性の死因の第一位と言われています(14,650人、2020年)。

しかし、早期に発見・治療すればほとんどの場合、治ります。早期発見・治療した場合の10年生存率は、90~95%以上。一方、進行してから治療した場合には、50%以下に低下します。早期発見が大切です。

乳癌の治療は、乳癌の性格、病状や進行度、患者様の全身状態を考慮して治療内容が決まります。当院では、乳腺専門医の診察により、現時点で最もふさわしいと考えられる治療法をお勧めさせていただきます。しかし、その治療法が唯一絶対というものではありません。患者様の意思や価値観を尊重させていただき、近隣の病院とも連携し、患者様と一緒に乳癌に立ち向かっていきます。

乳腺専門外来診療時間表

日・祝
10:30~11:30
18:00~19:30

最新の3D対応マンモグラフィ装置を導入しました。

早期発見のために、乳がん検診を受けましょう。

キヤノンメディカルシステムズ製 デジタルマンモグラフィ装置

最新デジタル画像により、高画質な画像が得られます。

生体を透過したX線を受け取り、電気信号に変換することによってレントゲン写真(デジタル画像)を得る最新の検出器(フラットパネルディテクタ)であるため、高画質な画像が得られます。診断に適した画像により、早期乳がんの発見が可能です。

初めてでも安心して受診いただけるマンモグラフィ装置です。

受診される女性が触れる部分にはやさしいフォルムで丸みをおびた形状(ラウンドフォルム)のデザインを採用しております。高精度な圧力検出により圧迫速度が変化し、乳房に急激な圧力がかかることがないため、検査時の痛みを抑える工夫を施しております。

最新デジタル装置により、低線量で迅速な検査が受けられます。

フラットパネルディテクタは撮影した直後に画像が得られるため、従来装置よりも短時間で検査を終えることができます。さらに線量は東京からニューヨークへ飛行機で行く時に浴びる自然放射線(宇宙線)とほぼ同じ量であるため、安心して受診いただけます。

9人に1人が、乳癌になる時代

日本人女性の乳癌罹患数は2022年予測で94,300人となっており、女性のがんの中で最も多くなっています。今や、9人に一人が乳癌になる時代です。

部位別癌予測罹患数

がん統計予測(2022年)より

年齢階級別死亡率(乳房2020年)

人口動態統計がん死亡データより

年齢ごとの乳癌罹患者の推移を見ると、発生は20代から見られ、30代でさらに増え、40代後半から60代後半でピークを迎えます。

乳がんの診断

乳癌の危険因子

  • 年齢(40歳以上)
  • 未婚の人(出産をしていない人)
  • 高齢初産の人
  • 初潮が早く、閉経が遅い人
  • 肥満の人(閉経後)
  • 飲酒習慣のある人
  • 血縁者に乳がんになった人がいる

乳癌早期発見のために ~自己検診を心掛けましょう~

こんな症状に要注意!異常をみつけたら、迷わず専門医に相談してください。自己検診は、生理が終わった後4~5日が適当です。閉経後の方は毎月、日を決めて行ってください。

注意すべき症状

  • 乳房にしこりがある
  • 乳房にひきつれ、くぼみがある
  • 乳頭から分泌物が出る
  • 乳頭が陥没したり、ただれや変形がある
  • ワキの下にぐりぐりがある

乳房にしこりがみつかっても,ほとんどは「乳腺症」など良性の病気のことが多いです。むやみに不安がる必要はありません。何か心配なことがあれば当院までご相談ください。

乳癌の治療

超音波検査などを行い、必要な方には針生検を行い診断がつきます。乳癌と診断されれば、CT検査などで遠隔転移の有無を調べます。

良性腫瘍の場合は、相談の上、局所麻酔・日帰り手術も行っています。

乳癌の治療には、主として手術、放射線治療、薬物療法(内分泌療法、分子標的薬、化学療法)があり、乳癌のタイプ、病期、年齢などを考慮して個人個人にあった最適な治療を選択していきます。乳房再建や放射線治療は連携病院と協力しながら治療にあたっています。

手術について

乳癌に対しては、乳房温存手術・乳輪乳頭温存乳房切除術やセンチネルリンパ節生検(腋窩リンパ節郭清の省略)など、機能・形態を温存する縮小手術や乳房切除術を行っています。詳しくは専門医からご説明させていただきます。